草サッカーチーム宮っ子[兵庫県西宮市]

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自陣から一気のカウンター

'94米W杯 ROM×ARG [得点]ゲオルゲ・ハジ

カウンター図
※黒線:選手の動き 白線:ドリブル 点線:ボールの動き

【得点までのあらまし】

  1. ドゥミトレスクがCKのこぼれ球をEとの競り合いから奪い、前方のスペースへドリブル。
  2. ハジとラドチョウの両者もこれを見てゴール方向へ。
  3. Eはこの時の競り合いで体勢を崩して転倒。
  4. ラドチョウはクロスオーバーでドゥミトレスクを追い越し、左サイドのオープンスペースへ。
  5. Aはドゥミトレスクを見ながら、ラドチョウへのパスもケア。
  6. Bはドゥミトレスクのマークに戻りドリブルを止める。Aはラドチョウのマークへ。
  7. CはBのカバーへ。
  8. Dは遅れてハジのマークに戻る。
  9. ドゥミトレスクのパスを受けたハジがダイレクトシュート、Cはハジをマークするためにポジション修正するが間に合わず。

このゴールは、攻撃に関わったルーマニアの3選手がボールを奪った瞬間から全力で走ったのに対し、守備側のアルゼンチンは、最初の競り合いの段階でDがボールウォッチャーになり、ハジのマークを怠ってしまったため、最後の場面で対応が間に合わず、ゴールを許す結果となった。また、この場面では直接ボールに触れなかったが、ラドチョウの影のアシストも光った。

ラドチョウはドゥミトレスクのドリブルに対して、並走するのではなく、クロスオーバーで左のオープンスペースへ開いたため、Aは最初の段階に於いてドゥミトレスクとラドチョウの両方を、1対2の数的不利な状況で見なければならなかった。このためAは、ラドチョウへのラストパスも想定し、必然的に、ポジショニングが外へ引っ張られた。このラドチョウのダイアゴナルランは、Bが戻るまでの数秒間、ドゥミトレスクに中央へのドリブルコースを与えたのに加え、最終的には、自身とハジで左右2つのパスコースとなり、それに対応するアルゼンチンディフェンスは、選手間の距離を拡げざるを得ず、カバーリングを難しくさせられた。もし、ラドチョウがドゥミトレスクとクロスせずに真っ直ぐ走っていたら、Aはラドチョウへのパスコースを切りつつ、ドゥミトレスクを外へ追いやったであろう。そうなれば、ルーマニアの得点の可能性は少なくなっていたはずである。