草サッカーチーム宮っ子[兵庫県西宮市]

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  4. 効果的なクロスの使い分け

相手のディフェンスラインが高い場合は裏のスペースを狙う。

この場合、クロスが直接得点に結びつかなかったとしても、相手のクリアでCKを得たり、クリアミスから思わぬ決定機(あわよくばオウンゴール)を得る可能性もある。そしてより得点の確率を高めるために、この時の受け手は、真っ直ぐ縦に動いてボールを受けるのではなく、DFの背後からボールサイドへ、斜めに走り抜けて、パスを貰うように心掛ける(※早過ぎる動き出しは、逆にマークを容易にするので、カットインのタイミングには注意が必要)。これはDFのマークを外すのに効果的な動きであり、’02日韓W杯のイタリア×メキシコ戦でも、交代出場したイタリアのデル・ピエロが、このプレーでDFの死角から飛び出し、ヘディングシュートで同点ゴールを決めている。一方、これとは逆の、ニアからファーへ逃げる動きも、勿論クロスを受けるうえで有効な手段ではある。しかし、死角を衝くという点を考えると、やはりDFの背後に位置する、ファーから飛び込む形を第一に考えるべきである。

相手のディフェンスラインが揃っている状態では抉って狙う。

どのようなボールを蹴るか。

それが難しいときに、初めて、次の手段としてライナー、ロブなどを考える。

どこを狙うか。

しかし、様々な要素が絡み合う実戦で、そのポイントを即座に見極めるのは非常に難しいので、慣れないうちはニア、ファー、ペナルティースポット付近の何れかを意識して、大まかに狙うだけでも構わない(受け手も何れかを意識して走り込む)。もし目の前でDFがマークしていたり、エリア内に人が集中してスペースを潰されていたりして、3つの選択にすら迷った場合は、シュート性の強いボールを蹴り込む。この場合旨くいけば、DFに当たったこぼれ球で決定機を得られる可能性に加え、間を抜けた場合は少し触るだけでも十分シュートになるため、大きな動作ができるだけのスペースがない状態や、受け手が横からのボールが苦手で、一度トラップしたいが時間的余裕がない場合などでも、脚を振る必要がなくなるメリットがある。実際に南米の選手は、このドリブンクロスを多用しており、なかでもブラジル代表のロベルト・カルロスはその代表格。

最後に余談を一つ

よく自陣から相手陣内へ向かうプラスのクロスを、アーリークロスだと認識している人がいますが、これは誤りです。アーリークロスは英語表記でearlycrossであり、厳密にはディフェンスが揃うよりも早い段階でのクロスという意味です。例えば、敵陣深い位置でのインターセプトで、ディフェンスが揃わないうちにマイナスのクロスを狙う場合などでも、アーリークロスに定義されます。ただ、ディフェンスもそのようなリスクを易々と犯しませんから、通常の試合で、ディフェンスが揃うよりも早く上げようとすると、結果的にプラスのクロスになる確率が高いというだけのことです。また、そのような場面であれば、即座にシュートチャンスへと繋げるのは当然であり、戦術的用語であるアーリークロスという単語を態々使う意味がなく(単純にクロス、ラストパスなどの表現で事足りる)、そのような場面で、アーリークロスという言葉を耳にする機会が少ないというのも、誤った解釈を生む一つの要因に挙げられます。